ヘリコバクター・ピロリ菌感染症
ヘリコバクター・ピロリ菌感染症について
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染は慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌などの原因になります。
衛生環境の整っていない時代の子供の頃に、飲み水や食べ物を介して口から感染したのではないかと考えられています。現在では家族内感染、特に母子間でのピロリ菌感染が推測されています。
通常若い頃にヘリコバクターピロリー菌に感染し、年がたつにつれ胃の炎症が徐々に広がり、慢性胃炎になります。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した慢性胃炎は胃十二指腸潰瘍や胃ポリープや胃癌の原因にもなります。ヘリコバクター・ピロリ菌は内服薬により除菌することができます(除菌治療)。
胃十二指腸潰瘍は再発しやすい病気ですが、ヘリコバクター・ピロリー菌感染が関与する場合に除菌治療に成功すると、再発率が低くなるといわれています。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した慢性胃炎は除菌治療により、胃の粘膜の炎症が少しずつ軽くなり、胃癌のリスクも低くなるといわれています。そのため、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した慢性胃炎に対しては、胃癌予防のためにも除菌治療が勧められています。
除菌治療が成功しても、慢性炎症が強い場合は、胃の粘膜の炎症がとれるに時間がかかり、除菌後にも胃癌が発生することがあります。そのため、除菌治療後も、定期的な内視鏡(胃カメラ)検査が勧められています。
当院ではヘリコバクター・ピロリ菌の検査を行っておりますが、ヘリコバクター・ピロリ菌検査のみを希望された場合、以前に胃の検査を受けていなければ胃カメラもなるべく勧めるようにしています。また、ヘリコバクター・ピロリ菌に対する除菌治療も行っています。